こんにちは、chikiです。
今日から第2章ということで、キャラクターと著作権についてお話ししていきます。
わたくしたちの「キャラクター・ボーカル・シリーズ」は、「音楽ソフト」に「キャラクター」を組み合わせることで、みなさまに広くご愛顧をいただくことができました。
CVシリーズから生まれたCGM作品は、大きく「楽曲」と「キャラクター関連もの」にわけることができます(すくなくとも、わたくしたちはそう考えています。もちろんこれらは組み合わせて使われることも普通です)。
同じ著作権のお話といっても、このふたつは分けて考えたほうがわかりやすいのです。そこで、まずこの章では「キャラクターと著作権」について考え、次の章で「楽曲と著作権」について考えることにします。
さて、この章はchikiのむかしばなしからスタートします。
chikiは小学生のころ、図書館で本を読むのが大好きでした。
放課後、いろいろな入門書をたよりに、こどもむけの歴史や科学や文学の本を読みあさっていました。
とくに好きだったのが推理小説で、江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」とか、アガサ・クリスティやエラリー・クイーンのジュニア向けの翻訳なんかも読みました。
もちろん、シャーロック・ホームズシリーズと、アルセーヌ・ルパンシリーズにも心をひかれていました。ホームズもルパンも、chikiのヒーローでした。
そういう流れのなかで、『ルパン対ホームズ』を手にしたときには、ヒーローどうしの対決なのですから、それはワクワクしました。
でも、読んでみて、「あれっ?」と不思議におもったのです。
ホームズが、自分の知っているキャラクターとちがって、あまりかっこよく見えなかったのでした。
それを書いたのが、ルパンシリーズの作者であるモーリス・ルブランなのは知っていましたから、ルパンをひいきして書いたんだな、くらいのことはわかりました。でも、ホームズというキャラクターが変えられたような気がして、ちょっと残念だったのをおぼえています。
のちのち、これについてはいろいろなことを知りました。こういうかたちでホームズを使われたことに、ホームズシリーズの作者であるアーサー・コナン・ドイルが抗議したこと。
それをうけて、ルブランがSherlock HolmesのSを動かして、Herlock Sholmes(エルロック・ショルメ)という名前に変えたこと。
日本で翻訳されたときには、名前がホームズにもどされたこと。
こういうことを知っていくと、ホームズもそうですけど、こんなやっつけの名前をつけられたショルメというキャラクターもかわいそうだなとおもいました。
このことをきっかけに、この章をすすめていきます。
「キャラクター」という存在をめぐる、ちょっと不思議な法律の旅です。
それでは、次回以降をおたのしみに!
#ところで、当時のフランス、イギリスの著作権法では、仮にこの件が法廷にもちこまれたら
#どういう帰結をたどることになったのでしょう。
#もしご存知の方がおられましたら、弊社までご連絡いただけたら幸いです。
#とくにこちらの皆様、お伺いしてよろしいでしょうか。
(知規)