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【chikiの著作権のおはなし 第12回】 第1章 「ケンリシャ」いったい何者だ?(11)

 こんにちは、chikiです。
 この章は、今回で終わりとなります。

 この章では、

・従来の権利者は、「つよい権利」と「契約のための大きな自由を持っている」こと
・現代では、そのどちらもあまり役にたたない場面もあること
・CGMのクリエイターも、「権利」ということを考えはじめなければならなくなったこと
・「著作権法」は、先住民族にとってと同じく、CGMクリエイターにとっては必ずしも使い勝手のいいものではないこと
・著作権法がないと困るひとたちと、今のままの著作権法ではやりにくいひとたちの両方のバランスをとっていかなければならないこと。

などについてお話ししてきました。

 こうしたことを前提にして、次の章からは、ボーカロイドに関係する、著作権上のふたつの大きなテーマについて話を展開していく予定です。

 まず、第2章では、「キャラクター」について取り上げます。キャラクターというものがどのように法律でまもられているのか、それによってどのような部分でキャラクターのビジネスがなりたつのか。キャラクタービジネスと二次創作の関係をあいまいにしないできちんと成立させるにはどうしたらよいか。こういうことについて考えます。

 続いて第3章では、「音楽」の著作権についてふれます。著作権管理団体によるシステムが機能して、それをいかしたビジネスが完成している音楽著作権については、キャラクターとはまったくことなる世界がすでにできています。これをみなさんと一緒に理解したうえで、CGM発の音楽をさかんにする方向で音楽著作権をどのように考えればいいのかについて、すすめていきたいとおもいます。

 こうしたことについて、ひとりでも多くの方にご理解いただくことが、CGMをよりよい方向に進めていくためにかかせないことなのだとchikiはおもっています。CGMにかかわるクリエイターのみなさまが、これからはイヤだと思ってもムリヤリ向き合わされてしまうこうした事実について、ここをお手伝いすることができなければ、CGMを支援することにはなりません。
 
 次回からも、よろしくお付き合いのほどをおねがいします。
 それでは、また!

(知規)