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PCLに関するQ&A その2

こんばんは、ピアプロ企画班です。

引き続き、PCLについて数多くのご意見をいただき、ありがとうございます。その中で多くお問い合わせのあったご質問にお答えいたします。


【PCLクレジットについて】


Q.PCLクレジットを短くしたいのですが。
A.掲載スペース等の制限がある場合には、クレジット表記は不要です。

PCLクレジットの例文として弊社が示しているものはあくまで例であり、1.PCLによる許諾の旨、2.PCLの所在を示すURL、3.利用しているキャラクターの名称、4.当社社名の4要素が含まれていれば、これを短くしていただいても構いません。
また、掲載スペースに限りがある場合等は、PCLクレジットを表記しなくても構いません。
なお、URLに関しては、ウェブ上での公開であれば、リンク形式にされても構いません。


Q.PCLクレジットは、絵の一枚ごとにつけるものなのですか?
A.表示の仕方によっては、まとめてひとつでOKです。

PCLクレジットを、当社キャラクターを含む具体的な表現ごとにつけなければならないとすれば、クリエイターには大変な負担がかかりますし、また二次創作物の見ばえを損ねることにもなりかねません。
ですから、PCLクレジットが公開された作品と「ひもづいていること」が簡単にわかれば、表記は一回で大丈夫です。
たとえばブログの複数のエントリにイラストを載せたいのであれば、プロフィール欄など各エントリに共通に表示される部分に

このブログにある、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター
「○○○○」のイラストは、ピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいて公開しています。

というようなクレジットを入れていただければOKです。非営利目的無償配布の画集であれば表紙、裏表紙、奥付などに一回の表記でかまいませんし、動画であれば説明文に入れることでクリアできます。(動画に関しては、「動画内にクレジットしなければなりませんか?」とのお問い合わせをいただきましたが、必ずしもそうする必要はありません。)

また、関連して、「動画にピアプロの絵をたくさん使ったのですが、どの絵がどのURLかをわかるように明示しなければダメですか」とのお問い合わせもいただいています。作者様への敬意を最大に払おうとすれば、そうするのが望ましいとは思います。しかし、商業映画などでも劇中使用曲はエンドロールでまとめて表記されるのが常ですし、そのようなかたちで動画の最後にまとめて作者様の名前と絵のURLを表記されることでじゅうぶんであると、弊社は考えています。

【ピアプロの利用について】


Q.動画を公開するまで、絵もピアプロで公開したくないのですが。
A.絵の公開は、動画公開の直前で構いません。

弊社の「ピアプロ」にはコラボ機能もあり、複数のクリエイター様が共同で制作作業にあたることもできますが、これは現在オープンとさせていただいており、その過程が第三者にも見えるようになっています。
この過程を見えないように選択できるようにしてほしい、とのご要望もいただいており、現在弊社内でも検討事項としております。
ただ、そのようなしくみのない現在において、自分の動画のために描いてもらった絵を、動画公開前にピアプロで他人に見せたくないのだけれど、そうするとPCLの条件を守れない、というお問い合わせを複数いただきました。
これに対しては、いくつかの解決策がありうると思いますが、最も簡単なのは、あらかじめ動画を作っておいて、絵の書き手が絵をピアプロで公開した直後に、動画を公開していただくことであろうと弊社は考えています。
この他にも、曲の作者様と絵の作者様が動画を共同著作物として公開されるという方法もありますが、両作者様の間で行う折衝に手間がかかる可能性があり、慎重に行う必要があります。


Q.ピアプロの投稿作品をダウンロードして二次創作作品を作っていたら、公開前にその投稿作品が消されてしまいました。私の作品は公開できますか?
A.ピアプロ利用規約上は問題なく公開できます。しかし、マナーの問題もあります。

弊社はピアプロ利用規約第11条第7項を次のように定めており、全てのピアプロ利用者様のご承諾を頂いております。

(前略)会員が本サイトにアップロードした会員コンテンツを自ら削除したとしても、会員が削除前に他会員に対して付与した会員コンテンツのライセンスは、当該削除後も有効に存続するものとします。

したがいまして、PCLクレジットをお貼りいただければ、ピアプロ投稿作品の削除後であっても公開は可能です。
削除された投稿作品を同様に使用しながら、投稿作品の削除前に公開された作品については、当該削除によって公開を停止する義務は設けられていません。作者様の都合という、他の利用者にとって知りえない理由によって削除が行われる以上、公開のタイミングが投稿作品削除の前か後かという基準によって作品の取扱が異なるのは公平とはいえないと、弊社は考えています。

ただし、ピアプロに一度投稿された作品を削除したということは、ライセンス付与時の意思と無関係に、今現在はその投稿作品を使ってほしくないと作者様がお考えになっている可能性もございます。ピアプロにおきましては、利用規約とは別に、利用した投稿作品の作者様の名前を作品に併記することで、投稿作品を使わせていただいたことへの感謝の意を表していただくことを推奨いたしております。しかし、すでに削除済みの投稿作品の作者様の名前を公表することが感謝の意になるかどうかは、微妙な問題です。弊社としては、クリエイターの皆様がそうした部分についてもお考えになられますよう願っております。


Q.ピアプロ投稿作品のライセンス条件をさらに狭くすることはできますか?
A.投稿作品の利用を「原則NG」とする選択肢を用意する案がございます。

「ピアプロ」においては、既に実績のあるクリエイティブコモンズライセンスにならい、作品投稿時にライセンス条件が指定できるようになっています。これは、「原則OK」とする利用の範囲の拡大を考えての仕様です。選択肢が少ないのは、複雑な条件を設定することによって生じる混乱を防ぐ意図によるものでした。
一方で、「特定の人や目的だけに使ってほしい」というニーズも少なからず存在することもわかりました。このようなご要望にお応えするため、「ライセンス条件を付けない」というかたちでの投稿を可能にすることを検討しています。

「ライセンス条件を付けない」とは、利用がフリーになるということではなく、正反対の「この作品を公開しているだけで、原則として第三者による利用はNGである」という投稿者の意思を示すものとなります。その上で、投稿者ご自身が、利用させたい第三者であるピアプロ会員に限り、個別に許諾を与えることを可能とします。ピアプロに投稿されたという事実をもって、弊社も同時に当該ピアプロ会員にPCLによる利用許諾を与えます。
弊社はこのような案を現在検討しておりますが、これにつきまして、皆様のご意見をお伺いしたく存じます。

ただ、当社といたしましては、「ピアプロ」は「"peer production"を実現する場所」をめざす場所である、という認識は変えておりません。したがって、このような案の実現のいかんに関わらず、ピアプロに投稿される作品は、可能な限り多くの、その他のピアプロ会員様にお使いいただきたいというのが、弊社の願いです。弊社はその理念を実現するために、当社の著作物である「初音ミク」などのキャラクターを一般に公開し、利用のオープン化につとめています。

【二次創作物の第三者への利用許諾について】


Q.私の動画を、他の方に使っていただきたいのですが?
A.ピアプロを以下のようにお使いいただけば、可能となります。

動画の二次創作物に関しては、現在ピアプロに投稿することはできません。動画コンテンツをピアプロに投稿可能にできればよいのですが、今のところピアプロには、そのようなシステムを維持し続けるだけの収入源がありません。

ただ、PCLが対象とするのは、「二次創作物のなかの、当社キャラクターに関する部分」だけですから、動画の中に含まれるあらゆる要素がピアプロに存在しなければならない、わけではありません。そこで、自分で作った動画を他の人にご利用いただきたいときは、以下のようにピアプロをお使い下さい。

(1) 動画の背景が静止画の場合
第三者に使っていただきたい動画の箇所の静止画をピアプロに投稿してください。

(2) 動画がアニメーションのとき
アニメーション内に登場する当社キャラクターが詳細に確認できるカットを1枚選んで、ピアプロに投稿してください。複数のキャラクターが動画内に登場するときは、キャラクターごとに投稿してください。複数のキャラクターが1枚で確認できるときは、1枚で構いません。


Q.「ニコニ・コモンズ」や「pixivコモンズ」で第三者への利用許諾はできませんか?
A.現状では、弊社キャラクターの利用許諾はピアプロのみで行っています。

株式会社ニワンゴ様が運営されている「ニコニ・コモンズ」や、ピクシブ株式会社様が運営されている「pixivコモンズ」のような、第三者への利用許諾を可能にするライセンスを有効にするには、その作品の権利者全員が、第三者への利用を許諾することに同意する必要がございます。

PCL2条4項で定めましたように、弊社は、弊社キャラクターの二次的著作物に関しまして、二次的著作物の作者様と同一の権利を専有いたしております。したがって、弊社の同意なしにこれらのライセンスを二次的著作物たる作品に付与されても、それによる第三者への利用許諾は有効とはなりません。

(ピ企)