こんにちは、chikiです。
前回は、わたくしたちが「キャラクター」という同じことばを説明するのに、一方では「抽象的概念」、べつのところでは「絵画の著作物」と、ちがう説明をしているのはおかしいんじゃないか?という話題でおわりました。
この辺、なかなかお話が進まなくてじれったい思いをされているとおもいますが、いちばん大切なところなので、もうすこしおつきあいください。
今回は、「抽象的概念」という言葉についてのお話です。
それは、「エンドユーザー使用許諾契約書」という法律のことに関係する文章なので、法律の世界でキャラクターというものがどのように考えられているか、ということを参考にしたからです。
日本で法律の解釈にいちばん大きな影響をあたえる最高裁判所は、平成9年7月17日の判決で、次のようにキャラクターを定義しました。
キャラクターといわれるものは、漫画の具体的表現から昇華した
登場人物の人格ともいうべき抽象的概念である
この判決は漫画のキャラクターについて争われた事件についてのものなので、ここでは「漫画の登場人物」や「人格」ということばが使われていますが、こういう言葉をカットすると、これは次のように読むことができます。
「昇華」って言葉はまだわかりにくいですね。
これは「絵」とか「文章」とか、そういう「具体的な」=「目で見ることのできる」表現から「もやもやとしたイメージのようなもの」へと変わることをいいます。
そうすると、「ちゅーしょーてきがいねん」という、わけのわからない言葉で説明される「キャラクター」という言葉の意味はこうなります。
・・・
あぶないですからものを投げないで下さい!
ちょっと、痛いですから石を投げないでください!
もう、ゆるしてくださいって!
・・・・・
・・・・
・・・
(ハァハァゼェゼェ)
いや、みなさまのお怒りはごもっともです。
えらそうに「説明する」(キリッ と言っておきながら、なにも説明していないもおなじなんですから。
でも、なんで法律は、キャラクターというものに、こんなわけのわからない説明をするのでしょう。
たとえば、みなさんは、「初音ミク」というキャラクターを、「よくわからないなにか」と思われることはないですよね?
ミクには、藤田咲さんから提供していただいた声をもとにつくった歌声のデータベースがあります。
ミクには、KEIさんに描いていただいた姿があります。
こんなミクが、「よくわからないなにか」だなんていうほうが、よっぽどウソっぽいです。
なのに、こういう説明をしていることには、もちろん意味があります。
その意味については、次回をおたのしみに!
(ってか、今回も前フリで終わっちゃいました・・・次回はいよいよ核心に迫ります!)
(知規)