音楽

弊社の音楽著作権管理につきまして

 クリプトン・フューチャー・メディア株式会社では、2010年11月29日に、音楽クリエイターに著作権使用料を分配するための音楽出版事業への参入を表明いたしました。こちらは、「カラオケ、放送、CDレンタル」という楽曲の商用利用から発生する著作権使用料を、音楽著作権管理団体である一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)さまを通じて弊社が受領し、これを音楽クリエイターに分配することを目的として開始したものでございます。

 また、同年12月20日には、同じく音楽著作権管理団体である株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)さまとの連名で、営利目的のインタラクティブ配信に限定して著作権使用料を徴収する運用スキームを開始することを発表いたしました。こちらは、音楽配信ストアや着うた配信サイトなどにおける、インターネット上での楽曲の商用利用から発生する著作権使用料を、音楽クリエイターに分配することを目的として開始したものでございます。

 本日は、これらの弊社の取り組みについて、簡単にご説明を申しあげます。

 はじめに、音楽著作権管理に関するイメージをごらんください。
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 以下、こちらの図をもとに、Q&A方式によってご説明を申しあげます。
 なお、上記の図の注については、本エントリの下部にございます。用語についての簡単な解説もございますので、適宜ごらんください。

Q1.「音楽著作権管理」って、どんな仕事ですか?
A1. クリエイターから楽曲ごとに音楽著作権をお預かりし、著作権の管理を音楽著作権管理団体に委託します。音楽著作権管理団体はクリエイターや弊社に代わって楽曲の著作権使用料を使用者から徴収してそれを弊社に支払い、弊社はそれをクリエイターに分配します。

Q2.「音楽著作権管理団体」ってなんですか?
A2. 正確には「著作権等管理事業者」といい、そのうち、音楽の著作権を取り扱う団体です。
楽曲の著作権者に代わって、ある楽曲を使いたいという人に対して使用許諾を行い、使用許諾料を徴収して著作権者に分配するのが仕事です。誰でもなれるわけではなく、一定の条件を満たした上で国に対して届出を行ったものだけがなれます。日本では、先に紹介したJASRACとJRCのほか、株式会社イーライセンスさまダイキサウンド株式会社さまなどの団体があります。なお、弊社は音楽著作権管理団体ではありません。

Q3.VOCALOID楽曲の著作権はすべてクリプトンに管理を任せなくてはならないのですか?
A3. いいえ、そんなことはございません。
楽曲の音楽著作権は、その楽曲を作詞・作曲したクリエイター様のものでございます。弊社以外の企業様に管理をお任せするのも、すべてをご自身で管理されるのも、クリエイター様が自由にお決めいただくことができます。

Q4.別にクリプトンを間に入れなくても、自分で著作権管理団体と契約できるのでは?
A4. JASRACとは個人で契約することが可能ですが、契約には申込金がかかります。また、JASRACの契約上のルールにより、契約者が制作した楽曲については、現在までに作ったものと将来作るもの、すべての楽曲の音楽著作権の管理を委託しなければなりません。また、JRCは法人のみを契約の対象としており、個人の方は契約することができません。
弊社が間に入ることで、クリエイターはJASRACに対しては、無料で、かつ曲を選んで音楽著作権を管理させることができます。また、JRCに対しても楽曲の音楽著作権を管理させることができるようになります。

Q5.上の図の、「演奏」や「カラオケ」の管理をJRCに任せたいのですが?
A5. JRCではVOCALOID楽曲に限らず、どのような楽曲についても「演奏」や「カラオケ」の音楽著作権の管理を行っておりません。このため、JRCにこれらの管理を委託することはできません。

Q6.商用利用と非商用利用の区別はどうなっていますか?
A6. 利用の区分ごとにわけて区別しています。
  <JASRACへ管理を委託する利用:演奏・業務用通信カラオケ・放送・CDレンタルについて>
   これらのうち、業務用通信カラオケ・放送・CDレンタルについては、基本的に企業だけが対象となるもの
   なので商用利用となります。少数のご友人に自分で録音したCDを無料で貸したり、自分が歌ったカラオ
   ケをネットにアップしたり、曲をインターネット生放送で流したりすることは、これらにあてはまりません。
   
   「演奏」については、JASRACのサイトにある説明がわかりやすいので、こちらをご覧ください。
   ここで「手続きが必要です」とある利用は、商用利用となります。
   そのほか、基本的に「個人が、趣味の範囲で、無料で行う演奏」以外は、ほとんどがJASRACによって
   著作権使用料の支払いの対象(=商用利用)とみなされます。詳しくはJASRACにお尋ねください。

  <JRCへ管理を委託する利用:ネットでの利用について>
   こちらについては、原則として次のような考え方をしています。
   まず、法人の活動や個人事業主の事業における利用については、通常のJRCの基準と同一となりますの
   で、JRCのウェブサイトをご参照のうえ、ご不明の点についてはJRCへお問い合わせください。
   次に、プライベートでの利用については、楽曲の販売や有料での動画配信など、ネット上で直接「音楽を
   売る」場合に限って商用利用としています。その楽曲が存在するウェブページにアフィリエイト広告を置
   く場合、ご自身がイベントで販売するCDを紹介するための楽曲のアップロードなどは非商用となります。

  <JASRACにもJRCにも管理を委託しない利用:録音・印刷について>
   基本的に、企業がこれらの利用を行うときには、弊社にお問い合わせください。
   個人の方については、クリエイター様にお問い合わせください。

 その他、ご不明な点、さらに詳細をお知りになりたい点などございましたら、こちらのブログのコメント欄までなんなりとお尋ねください。

※1:非商用イベントであっても、入場料有料のイベントで楽曲作品を演奏するときは、商用利用の扱いとなります。入場料無料のイベントでの演奏は非商用となります。
※2:JASRACの区分では「演奏権等」となります。生演奏やCD、動画の再生などが該当します。
※3:JASRACの区分では「業務用通信カラオケの利用形態に係る権利」となります。
※4:JASRACの区分では「放送・有線放送の利用形態に係る権利」となります。テレビ、ラジオ、有線放送での利用が該当します。ネット生放送は該当しません。
※5:JASRACの区分では「貸与権」となります。
※6:JASRACの区分では「インタラクティブ配信の利用形態に係る権利」となります。
※7:JASRACの区分では「録音権等」「映画への録音の利用形態に係る権利」「ビデオグラム等への録音の利用形態に係る権利」「ゲームソフトへの録音の利用形態に係る権利」「コマーシャル送信用録音の利用形態に係る権利」となります。CDやDVDへの録音、オルゴールの制作などが含まれます。
※8:JASRACの区分では「出版権等」となります。楽譜集の出版や歌詞カードの制作などが含まれます。
※9:JRCとの調整により、商用利用からのみ音楽著作権使用料を分配し、非商用利用については音楽著作権使用料が免除されます。