こんばんは、クリプトン伊藤です。
ちゃんと書き込むの、ピアプロ開設以来かもしれません。あれから丁度一年経ちました。つき並みですが、「早かった」です(笑)。既に沢山のお祝いのコメントもいただきました。お気遣いいただき本当にありがとうございます。
ちょっとだけ、1年前に戻って回想してみます。
ご存知の通り「初音ミク」の発売の直後から、"創作のビッグバーン"が起こりました。新しい作品が次から次へと創られ、動画共有サイト等を通じてネットに拡がる。それを目にした人がまた更なる創作を生む、というフィードバックが突然発生したわけです。クリプトン社内にいる我々もそれらの作品をたくさん観聴きしました。同じ作品でも日ごとにマッシュアップが為され進化する様は非常に新しいと感じました。
一方で我々は、新しい難問に対峙していることに徐々に気付き始めます。それは「著作権」です。『初音ミクを描いた作品を動画で使っていいですか?』の質問を山の様に受けました。もちろん「初音ミク」は弊社の著作物なので、作品中に「初音ミク」を描くということは、弊社著作権の侵害行為と取られます。しかし、「初音ミク」に敬意を払って使っていただく限り、ミクを作品中に使うことに特に問題を感じておりませんでしたし、著作権に対する不安を払拭するために、その旨を明文化する必要を感じておりました。
もう一つ気がかりに思っていることがありました。それは、動画の中に使われているイラストなのですが、「ちゃんと作家さんに許可取ってるのかなあ」「お礼言っているのかなあ」ということです。恐らく多くの絵師さんは、自分の作品が動画中に使われることに拒否は示さないのだと思います。でも、使われたのに何の一言も告げられないのはマナーに反すると思いましたので、お礼が言える場所が必要と思いました。
それから、クリプトンは北海道の会社だから余計に思うのですが、地方に住んでいても、ネットの上で協業して何かを創り上げることができる仕組み。そんなものがあると、皆が気軽に自己実現できるんじゃないかなあと。。。
以上書いたことができる仕組み、それを目標に開発したのがこの「ピアプロ」です。短期で開発して世に出したため、ピアプロは未だにベータ版です(笑)。また、皆さんの意見を汲みつつ開発を続けているので今後ともベータという位置づけになるでしょう。
最初の1年を終えてみて、正直反省ばかりです。実は色んな機能も開発してみました。しかし、ある程度開発してみてNGにしたものが結構多くありました。理由は、リリースする勇気が無かったからです。特に、商用利用に関する仕組みは、ムーブメントに冷や水を浴びせることになりはしないかと、随分躊躇しました。でも・・・公式である我々がイニシアチブを取らないと色んなものが世に出ていかないです。なので、2年目を迎える今月より、開発した仕組みを徐々にリリースしてみたいと思います。
更にまた、「初音ミク」が引き起こした"創作のビッグバーン"を、次は世界に向けて起爆させたいと考えております。このムーブメントに外国の方が参加するかもしれませんし、日本で生まれた作品を世界に向けて配信できるかもしれない。クリエイターのための新たな活動の場。その様なグランドを地ならしするのも、「メタ・クリエイター」としての弊社の役割とします。次の1年も、何卒よろしくお願いいたします!